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PDFのSEO対策|検索に出す・出さないを正しく制御する手順

Wemiro編集部読了目安 11
PDFテクニカルSEOインデックスcanonical

製品カタログやマニュアル、ホワイトペーパーをPDFで公開していると、「このPDFはSEO的にどう扱えばいいのか」で手が止まりがちです。ページに貼るような設定(メタタグ)がPDFには使えないため、HTMLページと同じ感覚で対策しようとすると空振りします。

この記事は「自分のサイトのPDFを自分で整える」担当者向けに、まず何を決め、どこに何を設定するかを1本の流れで示します。むずかしいサーバー用語は初出でかみくだきます。

PDFがHTMLと勝手が違う理由

HTMLページでは「検索結果に出したくない」「この重複はこっちを正としたい」といった指示を、ページの中に書くタグで伝えられます。ところがPDFはそのタグを書き込む場所がありません。

そこで登場するのがHTTPヘッダーです。HTTPヘッダーとは、ファイルを配信するときにサーバーが一緒に送る「そえ書き」のことです。PDFに対する検索の指示は、ファイルの中に書けないぶん、この「そえ書き」に載せて伝えます。

つまりPDFのSEOは、ファイルの中身を直す話と、配信時のそえ書き(ヘッダー)を直す話の2階建てで考えると整理できます。以下では「そえ書き」側から先に片づけます。ここがPDF特有で、間違えやすい部分だからです。

なお用語として、この記事では次のように言い換えます。

  • インデックス(登録):検索エンジンに登録されて、検索結果に表示されるようになること
  • クロール:検索エンジンのロボットがサイトを巡回して情報を集めること
  • canonical(カノニカル):内容が重複するとき、評価を集めたい「正」のURLを指し示す設定
  • X-Robots-Tag:PDFなどHTML以外のファイルに、検索登録の可否をサーバー側から伝える指示

まず決める:このPDFを検索にどうしたいか

設定に入る前に、対象のPDF1つずつについて「検索でどう扱いたいか」を決めます。ここを飛ばして設定から入ると、消したいのに残る・残したいのに消える、という取り違えが起きます。判断は次の表にあてはめると速いです。

そのPDFの性格検索でどうしたいかとる対応
検索から人に見つけてほしい一次資料(調査結果・仕様書など)検索に出すPDFのまま最適化(後述)
Web記事とほぼ同じ内容をPDFでも配っている重複を避けて評価を1つに集める「正」をどちらかに決めてcanonicalで集約
申込書・古い価格表・社内向けなど、検索に出したくない検索から外すX-Robots-Tag: noindex を付ける
そもそも検索経由の閲覧を想定していない配布物出さなくてよいnoindex(消したい場合)/放置(実害がなければ)

判断の軸はシンプルで、**「検索から新しい人に来てほしいか」が出す・出さないの分かれ目、「同じ内容がWebにもあるか」**が集約の要否です。迷ったら「このPDFに検索から人が来たらうれしいか?」を自問すると、たいてい答えが出ます。

検索から外したいPDF:noindex はヘッダーで付ける

「このPDFは検索に出したくない」と決めたら、X-Robots-Tag: noindex という指示を配信時のヘッダーに載せます。GoogleはPDF・動画・画像などHTML以外のファイルに対して、このヘッダーでインデックス登録の可否を判断します。HTTPレスポンスの例は次の形です。

HTTP/1.1 200 OK
X-Robots-Tag: noindex

ここで一番はまりやすい落とし穴があります。「検索に出したくないから」と、robots.txtでそのPDFへのアクセスをまとめてブロックしてしまうケースです。これは逆効果になり得ます。

robots.txtでブロックすると、Googleはそのファイルにアクセスできなくなり、noindexの指示そのものを読めなくなります。指示が読まれなければ、noindexは効きようがありません。それどころか、robots.txtでブロックしたURLは、それ自体が検索結果に残ってしまうことがあります(説明文のないそっけない表示で)。

正しい順番は次のとおりです。

  1. Search Consoleの「URL検査」で、対象PDFのURLがrobots.txtでブロックされていないかを確認する。
  2. ブロックしている場合は、そのPDFへのクロールを一時的に許可する(Disallowを外す)。読ませないと指示が届かないためです。
  3. 配信時のヘッダーに X-Robots-Tag: noindex を付ける。サーバー設定(Apacheなら.htaccessなど)で、拡張子が.pdfのファイルにこのヘッダーを返すよう指定します。
  4. 検索結果から消えたことを確認できたら、必要に応じてrobots.txtの整理に戻る。

順番を守るのがコツです。「ブロックすれば消える」という直感は、PDFでもHTMLページでも成り立ちません。robots.txtは検索から隠すための道具ではないからです(次の節)。

robots.txt は「隠す道具」ではない

robots.txtは、サイトへのクローラーのアクセスを管理するファイルで、主にサーバーの負荷を避けるためのものです。Googleからページを隠す用途のものではありません。検索から確実に外したいときは、noindexやパスワード保護を使います。

robots.txtでブロックしたページは、そのURL自体が検索結果に出ることがあります(ただし説明文のないそっけない表示になります)。また、ブロックされたページに埋め込まれた画像・動画・PDFなどのHTML以外のファイルは、検索結果から除外されます。

要点は、robots.txtは「ここは巡回しなくていい」という交通整理であって、「検索に出すな」という命令ではない、ということです。この線引きは、noindexが効かないと悩む多くのケースの根っこにあります。関連して、noindexを設定したのに検索結果から消えない原因も同じ仕組みで説明できます。

Web記事と重複しているPDF:canonical で正を決める

同じ内容をWebページとPDFの両方で公開していると、評価が2つに割れることがあります。そのときは、どちらを「正(canonical)」にするかを決めて、集約の指示を出します。

PDFに対しては、これもヘッダーで指定します。配信時に次のようなヘッダーを載せると、指定した絶対URLを「正」として扱わせるシグナルになります。

Link: <https://www.example.com/downloads/white-paper.pdf>; rel="canonical"

指定するURLは、rel="canonical"のリンク要素と同じく**絶対URL(https://から始まる完全なURL)**を使います。あわせて、各ページの正となるURLをサイトマップに含めて送信しておくと、Googleは類似性をもとに、どれが重複でどれを正とみなすかを判断します。

考え方はシンプルで、評価を集めたい側のURLを「正」に選び、もう一方の配信ヘッダーに、その正のURLを絶対URLでcanonicalとして指定する、というものです。たとえば「同じホワイトペーパーをHTMLの紹介ページとPDFの両方で出していて、読ませたいのはHTML版」なら、HTML版のURLを正に選ぶことになります。どちらを正にするかは、検索から来た人にどちらを見せたいかで決めます。canonicalの考え方そのものは重複コンテンツとcanonicalで評価の分散を防ぐで詳しく整理しています。

検索に出すと決めたPDF:中身を整える

「このPDFは検索から人に来てほしい」と決めたものは、ファイルの中身を読み取りやすく整えます。ここは公式の細かい挙動というより、伝わりやすさを上げるための実務的な工夫です(過度に断定せず、できる範囲で整える発想で十分です)。

  • ファイルの「タイトル」プロパティを埋める:PDFのファイル情報にタイトルが空だと、内容の要旨が伝わりにくくなります。文書の内容を表すタイトルを設定します。
  • ファイル名を内容がわかる名前にするdocument1.pdfではなく、内容を表す短い名前にしておくと、リンクとしても人に伝わりやすくなります。
  • 文字を「画像」でなく「テキスト」で持つ:紙をスキャンしただけのPDFは、重要な文章や表が画像になっていることがあります。画像化された文字は読み取られにくいことがあるため、本文や主要な表はコピー&ペーストできるテキスト形式で書き出しておくと安全です。
  • ファイルを軽くする:不要な高解像度画像などでファイルが重いと、閲覧の妨げになります。内容を保てる範囲で圧縮します。

これらは「PDFのまま出す」と決めたときの仕上げです。逆に、スマートフォンで読みにくい・都度更新したい・検索から幅広く集客したい、という性格の資料なら、PDFに手を入れるより同じ内容のHTMLページを用意するほうが早いこともあります。次の自己点検で切り分けてください。

自己点検:HTML化すべきか、PDFのまま最適化か

対象のPDFに以下を当てはめて、「はい」が多い側に寄せます。あくまで判断の目安で、両方に近い場合は「まずHTML版を用意し、PDFはダウンロード用に残す」の折衷も有効です。

質問はい → HTMLへ寄せるはい → PDFのまま最適化
スマートフォンで読まれることが多い
内容を今後ひんぱんに更新する
検索から幅広く新規の人に来てほしい
印刷・手元保存して使う前提の資料だ
レイアウトを固定したい(帳票・様式など)
内容がほぼ確定していて更新が少ない

判断のワークスルーを1つ通してみます。題材は「製品カタログのcatalog.pdf」です。まず先ほどの表で性格を見ると、カタログは「検索から見つけてほしい一次資料」寄りなので、方針は検索に出す。次にこの自己点検表に当てはめると、更新はときどきあり・スマホでも見られる一方、レイアウトは固定したい――と「はい」が割れます。そこで折衷を選び、主要な製品情報はHTMLページ化して検索の入口にし、catalog.pdfはそのページからダウンロードできる資料として残すと決めます。最後に、HTMLとPDFで内容が重複するので、canonicalで「HTML版を正」に指定して評価を1つにまとめる方針とする――ここまでが1本の流れです。

まとめ:PDFのSEOは「決めてから設定する」

PDFのSEOでつまずく多くは、設定の巧拙よりも「このPDFを検索にどうしたいかを決めていない」ことに原因があります。順番はいつも同じです。

  1. 決める:出す/集約する/外す、を1ファイルずつ判断する。
  2. 外すならヘッダーX-Robots-Tag: noindexを配信ヘッダーに。robots.txtでブロックすると指示が読まれないので併用しない。
  3. 重複なら集約Link: ...; rel="canonical"で正のURLを絶対URLで指定し、サイトマップにも正を載せる。
  4. 出すなら中身:タイトル・ファイル名・テキスト化・軽量化で読み取りやすくする。

自社サイトにPDFが何十本もあると、どれがどの状態か(noindexが効いているか、canonicalが正しい向きか)を1つずつ確認するのは骨が折れます。Wemiroを使うと、サイト内のPDFファイルを自動で洗い出し、canonicalやX-Robots-TagといったHTTPヘッダーの設定に取り違えがないかをまとめて点検できます。まずは自分のサイトの主要なPDFから、この記事の順番で棚おろししてみてください。

出典

  1. 重複した URL を統合する | Google 検索セントラル
  2. noindex でインデックス登録をブロックする | Google 検索セントラル
  3. robots.txt の概要 | Google 検索セントラル

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