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ページ速度を改善しても順位が変わらない理由と、次にやること

Wemiro編集部読了目安 10
ページ速度コアウェブバイタルテクニカルSEOランキング要因

PageSpeed Insights(ページ速度を測定するツール)のスコアを上げ、画像を軽くし、不要なコードを削り――そこまでやったのに検索順位がまったく動かない。この記事は、そんな「速度は改善したのに手応えがない」状態にいる、自社サイトを自分で直すエンジニア/サイト担当者に向けたものです。

結論から言うと、これは失敗ではなく、速度というシグナルの位置づけを誤解していただけであることが少なくありません。後で公式ブログの言葉で確かめますが、Googleが2018年に速度をモバイル検索のランキング要素に加えたとき、その対象は「ユーザーがかなり遅いと感じるページ」に限られ、影響するのはごくわずかなクエリだけとされていました。ここから、すでに十分速いページをさらに速くしても順位が比例して上がるとは考えにくい、と整理できます。この記事では、Googleの公式ドキュメントに沿って速度の本当の影響力を確かめ、順位を動かすために次に手を入れるべき場所まで、実例を1つ通して整理します。

Googleにとって速度は「単独の決定的要因」ではない

まず土台になる事実を、公式ドキュメントの言葉で押さえます。

Google 検索セントラルは、ページ エクスペリエンス(ユーザーがページを使うときの快適さ)について、複数の側面を総合して評価するもので、たった1つの要素で決まるわけではないと説明しています。そのうえで、はっきりこう述べています。「Google 検索は、ページ エクスペリエンスが平均を下回るコンテンツも含め、常に最も関連性の高いコンテンツが表示されるように設計されています」。

さらに踏み込んで、公式ドキュメントは満点を狙うことへの注意まで書いています。「このスコアは、サイトの全体的なユーザー エクスペリエンスの改善に役立てるためのものなので、SEO 上の理由のためだけに満点を取ろうとするのは、有効な時間の使い方とは言えないでしょう」。ここが、多くの担当者がハマる落とし穴です。100点を目指したコードチューニングそのものが、順位という見返りを保証してくれるわけではないのです。

一方で、速度を軽視してよいという話でもありません。Core Web Vitals(コアウェブバイタル=読み込み・操作への反応・表示の安定性という、ユーザー体験を測る指標)の公式ドキュメントは、「サイト所有者は検索でのパフォーマンスを高めるために、良好な Core Web Vitals を目指すべきだ」としています。つまり「良好」ラインを満たすことには意味があり、そこから先の過剰なチューニングは費用対効果が薄い――この線引きが要点です。

なぜ「速くしても動かない」のか:Speed Updateの対象を思い出す

速度がランキング要因として導入された経緯を見ると、誤解が解けます。

Google は2018年7月から、ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使い始めました。これは「Speed Update」と呼ばれるものですが、公式ブログはその対象範囲をこう限定しています。「対象となるのは、ユーザーがかなり遅いと感じるようなページのみで、ごくわずかな割合のクエリにしか影響しません」。

そして同じ文章が、速度とコンテンツの関係もはっきり書いています。「検索クエリのインテント(検索の意図)は依然として非常に強力なランキング シグナルです。そのため、関連性の高い優れたコンテンツを含むページであれば、読み込み速度が遅くても上位に掲載される可能性があります」。

ここから実務上の意味を、この抜粋を土台に整理してみます。速度改善が順位に効きやすいのは、もともと「かなり遅い」側にいたページだと考えられます。逆にもともと標準的な速さのページであれば、Speed Update が対象とする範囲の外にいる可能性が高く、その場合は速度をさらに縮めても順位は動きにくいでしょう。つまり「速くしても動かない」という結果は、失敗ではなく「すでに十分速く、底上げの対象外だった」という健全な状態のサインと捉えるのが自然な場面が少なくありません。

実例で確かめる:LCPを4秒から2秒にしたのに順位が動かないケース

抽象論だけだと判断しづらいので、よくある場面を1つ通してみます。ある商品カテゴリのページで、LCP(Largest Contentful Paint=ページ内で最も大きな画像や文章が表示されるまでの時間)を約4秒から約2秒へ縮めた、でも2週間たっても順位が動かない――このケースを、次の順番で切り分けます。

  1. 改善前が「かなり遅い」側だったかを確認する:PageSpeed Insights や Search Console のページ エクスペリエンス レポートで、改善前の状態が「不良」だったのか「要改善」止まりだったのかを見ます。もともと十分に速かったなら、Speed Update が対象とする「かなり遅い」範囲の外にいた可能性が高く、順位が動かないのは想定の範囲だと考えられます。
  2. 速度以外のエクスペリエンス要素を点検する:公式ドキュメントは、良いページ エクスペリエンスには Core Web Vitals 以外の要素(安全性=HTTPS、モバイル対応、過剰な広告や割り込み表示がないこと、主要コンテンツがはっきり区別できること)もあると述べています。速度だけ直しても、ここに問題が残っていればエクスペリエンス全体は底上げされません。
  3. 競合ページとの「中身の差」を主戦場に切り替える:ここが本丸です。上位表示されている競合ページと自社ページを並べ、検索意図に対する情報の網羅性・具体性・信頼性の差を洗い出します。速度が同程度なら、順位を分けているのはコンテンツの関連性である可能性が高いからです。

この3ステップを通すと、多くのケースで結論は「速度はもう十分。次はコンテンツ」に着地します。速度の数字をさらに削る作業から、中身を競合より充実させる作業へ、リソースの向け先を切り替えるサインです。

速度改善が順位に効くか・効かないかの早見表

下の表は、公式ブログが示した2018年Speed Updateの対象範囲(速度が効くのは「かなり遅い」ページのみ)を土台に、筆者が測定ツールの評価区分と結びつけて整理したものです。この対応づけ自体は公式の定義ではなく、順位への効き方も断定ではなく傾向として読んでください。

改善前の速度(測定ツールの評価)速度改善の順位への効き方(筆者の見立て・傾向)次にやること
「不良」(かなり遅い部類に入りやすい)効く可能性がある(底上げ対象に入りやすい)まず速度を「良好」ラインまで直す
「要改善」(やや遅い)効くこともあるが限定的良好化しつつコンテンツも点検
「良好」(すでに十分速い)効きにくいと考えられる速度チューニングをやめ、中身へ
速度以外に問題(広告過多・非HTTPS等)あり速度だけ直しても不足しやすいエクスペリエンス全体を整える

「良好」に達しているのに順位が上がらないからと、さらに速度を削る作業を続けるのは、公式ドキュメントの言う「有効な時間の使い方」から外れやすいところです。表の一番下2行にいるなら、手を止めて中身へ移るのが合理的です。

よくある誤解:スコアの満点が順位保証になる

誤解:「速度スコアで満点を取れば順位が上がるはず」

これは前半で見たとおり、公式ドキュメントの見解と食い違う考え方です。公式ドキュメントは Core Web Vitals スコアについて、「サイトの全体的なユーザー エクスペリエンスの改善に役立てるためのもの」であり、「SEO 上の理由のためだけに満点を取ろうとするのは、有効な時間の使い方とは言えないでしょう」と述べています。スコアはユーザー体験を改善するための道具であって、順位を保証する得点表ではない、という位置づけです。さらに公式ドキュメントは、Core Web Vitals 以外のページ エクスペリエンス要素について「検索結果でのランキング上昇に直接貢献することはありません。しかし、そういった要素はウェブサイトのユーザー満足度を向上させる可能性があり、それは通常、Google のランキング システムでも高く評価されます」とも述べています。

つまり効き方は「点数 → 順位」という直線ではなく、「体験の改善 → ユーザー満足 → 総合評価に反映されることがある」という間接的な経路です。だからこそ、満点そのものを目的化せず、「良好」ラインを満たしたら中身の改善に軸足を移す判断が要ります。

自己点検チェックリスト

順位が動かないときに、速度を追い続けるべきか中身へ移るべきかを、次の観点で見分けます。

点検項目見るところ中身へ移るサイン
改善前の速度PageSpeed Insights/エクスペリエンスレポートもともと「良好」だった
Core Web Vitals読み込み・反応・表示安定の3指標3つとも「良好」に入っている
速度以外の要素HTTPS・モバイル対応・広告・主要コンテンツの明瞭さいずれも問題なし
競合との中身の差上位ページと自社ページの網羅性・具体性明らかに競合の方が詳しい

右列に1つでも当てはまるなら、速度チューニングの手を止め、コンテンツの充実に切り替える局面です。逆に速度が「不良」で残っているなら、そこは先に直す価値があります。

まとめ

速度を改善しても順位が動かないとき、その多くは「すでに十分速く、底上げの対象外にいる」という健全な状態だと考えられます。Googleにとって速度は複数あるシグナルの1つで、単独の決定的要因ではなく、満点を狙うこと自体が順位を保証するわけでもありません。

やるべきことは、まず「良好」ラインを満たすこと、そして満たしたら手を止め、検索意図に対する中身の充実へリソースを移すことです。速度の数字とにらめっこする時間を、競合より詳しく・わかりやすいページを作る時間に振り替える――この切り替えが、動かない順位を動かす近道になります。

なお、施策の効果がいつ・どんな順で表れるかは SEO効果はいつから出るか で、どの記事から中身を直すと効きやすいかは リライトの優先順位づけ で扱っています。

出典

  1. Core Web Vitals について(Google 検索セントラル)
  2. Google 検索結果とページ エクスペリエンスについて(Google 検索セントラル)
  3. ページの表示速度をモバイル検索のランキング要因に使用します(Google 検索セントラル ブログ)

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